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2013年5月30日(木)　信濃毎日新聞

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に

現在、上田市天神の日本たばこ産業跡地（JT跡地）に建設中の上田市交流文化施設について連載です。本日の記事は第６回目の最終回。

最終回の今回は「誰もが芸術に触れる機会を」という見出しで、劇作家の平田オリザさんへのインタビュー記事でした。

今後、公共ホールが果たす役割をどう考えるかという問いに対しては、昨年の６月に公共ホールの初の根拠法となる「劇場法」が成立した。公共ホールは今までは、芸術というより集会のための施設だった。新法は市民に芸術に触れる機会を提供するという劇場本来の機能を定義しなおした。これからは病院や学校のように高度な専門性をもった施設にならなければならない

地方の公共ホールに求められることは何かという問いに対しては、低所得者や障害者、高齢者、子どもたちも同様に高度な芸術文化を楽しめるようにすることが重要だ。地方のホールはまず、社会的弱者のための施設であるべきだ。

上田市は交流・文化施設が果たす役割の第一に子どもを中心とした「人の育成」を揚げているがどうかという問いに対しては、スポーツと同じで裾野を広げつつトップも伸ばすことが大事。めりはりを利かせられるよう、専門家の知識や市民ボランティアの協力も必要だ。

市民の協力を得ていくための方策はという問いに対しては、地域に根差した文化団体が裾野を広げ、劇場を支えてくれるような関係を築けた施設は成功する。他の施設では、ホールなどで社会貢献活動をした団体に地域通貨を払い、それで施設の使用料を払えるようにした事例もある。

人口約１６万人の上田市は財源も限られる。どんな工夫ができるかという問いに対しては、劇場や美術館は子どもの感性や想像力を養う教育を積極的に担える。学校の美術教育を美術館が全て請け負えば、その分の教育予算を回せるはずだ。医療や福祉も同じで、ある自治体が高齢者の市民だけが出演するミュージカルを企画したところ、稽古期間中は市民病院のロビーが閑散としたという。行政が発想を変えて総合的に予算を配分することで、全体の支出をそれほど増やさずに文化施設を運営することは可能だ。

以上のようなインタビューでした。

劇場法というのは通称で、正式には、「劇場，音楽堂等の活性化に関する法律」というもののようです。

今回インタビューされた平田オリザさんはその法案作成にかかわったとのことで、それらに関することや、地方の公共ホールは社会的弱者のためにあるべきだとのお話、トップの育成と裾野を広げるための取り組み、文化団体を通した連携などの話がでました。

これまで６回の連載でしたが、連載中に、交流文化施設は「上田市交流文化芸術センター」、美術館の方は「上田市立美術館」というという名称が示されました。

どのようにしていくか、他地域の良いところを取り入れながら、行政と市民と、市民同士の連携がこれから重要になってきそうですね。

以下はこれまでの連載の記事のURLです。よかったら参考にどうぞ！本文は新聞のほうでチェックしてみてくださいね！

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に 課題点検（１）
http://uedanavi.naganoblog.jp/e1270574.html

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に 課題点検（２）
http://uedanavi.naganoblog.jp/e1270591.html

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に 課題点検（３）
http://uedanavi.naganoblog.jp/e1271443.html

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に インタビュー（４）
http://uedanavi.naganoblog.jp/e1273393.html

姿現す上田市・交流文化施設 市民集う場に インタビュー（５）
http://uedanavi.naganoblog.jp/e1274408.html

(文：mitu)