上田・浦里小学校火災 住民や映像関係者「悔しい」
2012年9月7日(金) 信濃毎日新聞
▼以下転載(第一社会 35面)
旧管理棟と北校舎などが全焼した上田市浦野の浦里小学校。火災から一夜明けた6日も地元住民が姿を見せ、「悔しい」「まだ信じられない」と焼け跡を見つめた。この日は臨時休校で在校生92人の姿はほとんどなく、教職員らが火災発生時に校舎から運び出した書類などを延焼を免れた南校舎へ運びいれた。同校は上田市有数の映画、ドラマのロケ地でもあり、市内外の映画館関係者が焼失を惜しんだ。
焼け焦げた臭いが漂う同日午前9時ごろ。近くに住む卒業生の会社員男性(57)は「北校舎は私が1年生の時、今の場所に移築された。校舎を引っ張って動かしていた様子を今でも覚えている」と悔しそうに話していた。焼け跡を見に来た4年女子児童は「運動会の道具や図書館の本がみんな燃えてしまった」と言葉を詰まらせた。
浦里小火災対策本部長のお母袋創一上田市長は同日午前7時半ごろ同校へ。「貴重な学校がこのようになってしまい残念。子どもたちの学びの場を確保できるよう、最優先で取り組む」と話した。
同校では多くの著名映画監督が撮影に臨み、地元住民たちがエキストラとして協力してきた。旧管理棟では昨年7月、テレビドラマ「南極物語」のロケが行われ、人気グループ「SMAP」の木村拓哉さん、女優の綾瀬はるかさんも訪れた。この撮影が同校での最後のロケとなった。
「告別」(大林宣彦監督)スパイ・ゾルゲ(篠田正浩監督)などの撮影も行われた。同市でロケ支援を担う「信州上田フィルムコミッション(FC)」の原悟さん(33)は6日、「浦里小の焼失は日本の映像業界全体にとっても大きな損失」と肩を落とした。
「ひめゆりの塔」(1995年)草の乱(2004年)などを同校で撮影した映画監督神山征二郎さん(71)=東京=は「東京からの交通の便が良い場所で、戦前の姿がこれだけ残っている学校はなかった。地元住民にも愛され、今後も映画の仕事があれば使いたいと思っていたのに寂しい」と嘆いた。
▲転載ここまで
浦里小学校といえば、映画・ドラマのロケ地としてとっても有名なところでした。
上田フィルムコミッション-上田ロケ作品-
http://www.ueda-cb.gr.jp/fc/loca.htm
それがなくなってしまう事がどれだけ地域の損失になるのか計り知れないですね。
NHK科学文化部のブログに焼失した浦里小学校の話を大林監督のインタビューした記事が載っていました。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/800/130567.html
地域に愛され、映像業界に愛されていた浦里小学校。とっても残念です。
(文:mitu)
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