上田 浦里小火災から1カ月 原因捜査長期化の様相
2012年10月5日(金) 信濃毎日新聞
▼以下引用
上田市浦野の浦里小学校で木造2階建ての北校舎など5棟を全焼した火災は、5日で発生から1カ月。上田署などによる捜査は難航し、火元と出火原因は依然特定されていない。ガソリンなどの油類は鑑定で現場から検出されず、出火時に不審者がいたとの有力な目撃情報がない一方、電気系統の故障やたばこの火の不始末などの失火を示す痕跡も見つかっていない。同署は「予断を持たず、失火と放火の両方面で引き続き調べる」とし、捜査は長期化する可能性が出てきた。
4日午後8時前、地元で活動する同市消防団第18分団の3人が消防車に乗り込み、浦里小周辺へ夜のパトロールに出掛けた。警戒の鐘を鳴らしながら、1時間ほどゆっくりと回った。9月末までは毎晩、、全73人の団員が3~4人ずつ交代で巡回。出火原因が判明しない中、今月からは週2回にして続けることにした。
「団員の多くは浦里小の卒業生で、火事のショックは大きい。これ以上、地元で悲劇が起きないようにしっかりと警戒していく」。会社員の林秀直分団長(36)は話す。
同署と上田広域消防本部は火災翌日の9月6日から9日間にわたり、現場で実況見分を実施。出火場所は燃え方が激しかったことなどから、北校舎の南東端の入り口付近からトイレの西側にかけての範囲に絞りこんだ。この一帯で採取した土や灰、木片などを鑑定した結果、ガソリンなど油類の反応はなかった。ただ燃え方が激しかったため、成分が無くなってしまった可能性もあるという。トイレ付近の3カ所に設置してあったセンサーライトや青色回転灯などの電気配線も燃え方が激しく、ショートした跡は確認できなかった。
火災の119番通報があったのは5日午後10時すぎ。その1時間余り前、最後まで残っていた同校教頭が校舎などの見回りをして帰宅したという。火元ともみられる範囲は普段、火の気がないため、周辺住民からは「放火が原因ではないか」との声が絶えない。同署は1日当たり最大約60人態勢で周辺住民への聞き込み、検問などをしてきたが、放火に結びつく有力情報はないという。
5棟もの建物が全焼した要因として、同消防本部は「フラッシュオーバー現象」が起きた可能性が高いとする。建物内部に一酸化炭素などの可燃性ガスが充満し、高温になった状態で窓ガラスが割れるなどして空気が勢いよく入り込み、一気に炎上する現象。同校の場合、トンネルのようなまっすぐに長い北校舎と旧管理棟の廊下でこの現象が起きた上に、渡り廊下も含めて古い木造で木材が乾燥していたため、火が早く燃え広がったとみている。
火元の範囲は周辺の住民から見えにくい場所にあり、同本部は「119番通報時には既にかなり燃え広がっていた可能性もある」とする。
▲引用ここまで
失火なのか放火なのかわからないまま1カ月が過ぎようとしています。
懸命な捜査をしていただいているんですが、なかなか特定にならないようです。
原因がなんだったのかがわからないと住民の方も安心できないですね。
(文:mitu)
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