再考・再興 上田のまちづくり 第6部 にぎわうために(3)
2012年11月29日(木) 信濃毎日新聞
提言 「蚕都」の遺産生かそう
今回の記事は主には、先日、国の文化審議会が重要文化ざしに指定するように答申を行った旧常田館製糸場(現 笠原工業)について載っていました。
旧常田館製糸場は、2008年に市道拡幅のために繭蔵などが取り壊される予定でしたが、市民や専門家から建物保存を求める声が上がった、笠原工業さんが自費で曳家して保存したことや、長野大学の前川教授が取り組む蚕都上田プロジェクトについて掲載されていました。
また合わせて、世界遺産登録に向けて活動する富岡製糸場に関連して富岡製糸場世界遺産を目指す連絡協議会などの話も載っていました。
そのほか、旧常田館製糸場以外の建物として、上田蚕種製造株株式会社や旧上田蚕糸専門学校の講堂( 現 信州大学繊維学部)なども掲載し、2009年12月から行った、絹の街保存会で作製された、蚕都上田ノスタルジアパークの計画が具体化できないままであることなども掲載されていました。
最後は、蚕都上田に残る産業遺産をどう再評価し、市内外にアピールし、新たなまちづくりに生かしていくか、行政と市民が一緒に取り組まなければ先に進まないと締めくくられていました。
「蚕都上田」についてはここに掲載されているだけではないぐらい様々なことがあると思います。
丸子地域の依田社について、江戸時代の豪商だった中居屋重兵衛については、丸子の生田地区にある郷蔵から発見されている古文書、蚕種製造のメッカであった上田市の塩尻地区に残る景観や山々にある桑を栽培していた段々畑跡、養蚕を行った上田市内の様々な地域に残る腰屋根のある風景、そして、文化や娯楽の発信地であった上田映劇もちょうど蚕都上田と呼ばれた時代に建てられた建物です。
その他、現在だと、長野大学前川教授が事務局長を務める蚕都上田プロジェクト以外にも、信州大学の先生方を中心とする活動や、サークル絹の郷などの市民の活動など様々な活動、地域史の研究をされている上田小県近現代史研究会の方が発行されているブックレットなどなど、蚕都上田に関連してはさまざまなことがあります。
これから総合的に一つの活動として取り組むには行政と市民との協働が必要だと思いますが、それ以上に市民と市民との連携も必要だと思います。
それにしても「蚕都上田」の歴史って調べれば調べるほど奥が深いです。
(文:mitu)
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