蚕と糸と信州と いまむかし発見(1) 生き物相手緻密な作業
2013年1月1日(火) 信濃毎日新聞
信濃毎日新聞の23面に蚕と糸と信州と いまむかし発見というコーナーが始まり、第1回目は上田蚕種株式会社が取り上げられていました。
上田蚕種株式会社に伺って取材された内容が掲載されており、実際に作業に携わる方々のお話も掲載れています。
上田蚕種株式会社は、上田市の上田東高校近くです。創業は前身の会社が1917年(大正6)年。作業場の建物はその頃建てられたものを現在も使用しているそうです。
蚕の卵「蚕種」(さんしゅ)づくりについて「蚕種製造の技術は研究し尽くされているけれど、本当に奥が深い。出荷する量がそろうまで気が抜けません」と作業をされている宮本さんのコメントが掲載されていました。
蚕種製造は最盛期の1960年代に比べて減り、日本全国で蚕種を製造する会社は上田蚕種と松本市の高原社を含めて4件しかないとのこと。
現在の出荷先は、県内の他に主に関東や東北の養蚕農家、大学・企業などの研究機関だそうです。
記事にはほかにも、塩水に入れて、塩水の濃度を変えながら、受精卵と不受精卵を分離させて選別する作業や、さらし粉の消毒液に浸すのはきっかり10分であること、そのあとに軽い不受精卵を風で飛ばす風選(ふうせん)と呼ばれる作業を行うなど作業についても掲載されていました。
上田市は明治・大正時代に蚕種製造を初めてとして、蚕糸業でとても栄えた地域です。こうやって蚕種製造の技術を受け継ぐ方々いることとってもありがたいですし、大事なことですね。
(文:mitu)
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