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2012年9月7日(金)　信濃毎日新聞

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「『日本一の芝ですね』と選手たちに言ってもらえる時が一番うれしい」

北海道網走市の市営トレーニングフィールド。「グラウンドキーパー」の肩書を持ち６面ある天然芝グラウンドの手入れを10年間担当してきた佐藤伸之さん(42)は笑顔で話した。

市から芝の管理を委託されている会社に所属。夏は毎朝グラウンドを隅々まであるき、ラグビー合宿の選手たちが走る芝の状態を細かくチェックする。

オホーツク海に面し、女満別空港から車で20分ほどの網走市。近年は周辺の北見市、美幌町、津別町も含め、社会人や大学の強豪ラグビーチームの多くが夏合宿に来るようになった。ことしはサントリーや神戸製鋼など社会人ラグビーのトップリーグ14チーム中12チーム、同志社、筑波など大学ラグビー部10チームが集結した。

その大きな理由は、良質な芝をはじめとした練習環境の良さだ。８月下旬、北見市で合宿をしていた立命館大(京都)ラグビー部副部長の高見沢篤さん(54)は「芝の手入れが行き届いていて、雨の日でも芝の上を走れる。時間制限もないので伸び伸び練習できる」と話した。グラウンドにスクラム練習用の器具やタックル練習で使うサンドバッグを持ち込んでも、十分な広さがあるという。

網走市と北見市は25年以上前から、ラグビーなどのスポーツ合宿誘致に力を入れている。「流氷や刑務所を見に来るだけの観光客は長期滞在しない。滞在してもええる目玉が欲しかった」と網走市教委スポーツ課の前田誠治さん(59)は話す。網走市では、市内で合宿するチームが市営のグラウンドやプールを使う場合、無料にしている。企業の協力で、合宿関係者向けのレンタカー割引も設けている。

「官民が一体となって取組成果を挙げてきた」と前田さん。有力チームの練習を見に来る観光客も増え、網走市のスポーツ合宿関連の経済効果は昨年度、約５億７千万円に上ったと推定される。同市は、２０１９年に開催されるラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会のキャンプ誘致も、さらに経済効果が見込めるとして積極的に進める考えだ。

一方、古くからのラグビー合宿地・上田市菅平高原。ラグビーができる市営「サニアパーク菅平」は現地で合宿するチームも有料だ。メーングラウンドは２時間半で５万円。社会人や大学のラグビーチームからは「芝の手入れは北海道の方が格段に良い」との声も聞こえる。立命館大など有力チームの多くが、夏合宿の場所を北海道へ移した。

県内では、スポーツ合宿誘致に官民が一体となって取り組んだり、自治体が連携したりする動きはあまりない。危機感を抱いた県観光部は、各地で合宿をより積極的に受け入れ、観光振興にもつなげようと４月、「スポーツ合宿誘致連絡会議」を発足させた。W杯キャンプの誘致を目指す菅平高原観光協会の他、茅野市、諏訪郡富士見町、北佐久郡軽井沢町など28市町村・団体が参加した。

「県外からの合宿の要望を受け止めきれず、他県へ流れてしまっているとれすればもったいない。地域ごとに官民で連携して窓口を設ける必要性などをを話し合いたい」と観光部の担当者林宏行さん(49)は話す。10月に開く会合から本格的な議論に入る予定だ。

▲転載ここまで

北海道網走市との比較ということで記事が書かれていました。

それぞれの市町村の事情が違うと思いますが、行政と民間の協働による取組が大事なんだという感じがしました。

県レベル、市レベルどちらもそうですが民間が動きやすい連携、協働、協力の仕方が必要なような気がします。

ぜひ、2019年のラグビーワールドカップ日本大会では菅平にたくさんの国の方からキャンプに来てもらいたいです！

(文：mitu)